ポケモンカードを翻訳しよう 

BW2の未発表新カード4種、
「バイバニラ」、「アイアント」、「クリムガン」、「ゴツゴツメット」が
PokeBeach.comに掲載されてます。
チェックチェック。

http://pokebeach.com/2011/07/red-collection-rugged-helmet-vanilluxe-and-durant

実はこの記事に掲載されているカードのテキストの英訳は僕がやりました。
なので本文中に「Nanimonoka」って名前が入ってます。
ポケモンカードの翻訳は実に3年振りで、
たった4枚なので一瞬で終わってしまう作業ではありましたが
ものすごく懐かしくて楽しかったです。

ちょっと思うところがあったので記事にしようと思います。
ポケモンカードの翻訳をやってみませんか。
●僕とポケモンカードの翻訳
僕は学生時代に趣味でポケモンカードの翻訳をやっていました。
具体的には、DP1~DP3(2006年頃)の期間、
「覇空の翼」等日本で公開されているいくつかのスポイラーリスト
(公式発表に先駆けて作成されるカードリスト)を参考にその英語版を作成し、
PokeGymのフォーラムに投稿していました。
その他、単発で発表されるプロモーションカードや、
公式アナウンスなど関連文書の和訳や英訳等も。
当時、英語版のスポイラーリストを作成している人は世界に3人しかいなくて、
その中で日本人は僕1人でした。
ちなみに、僕の英語に関する能力は、
TOEICでいうと500点代半ばの箸にも棒にもかからないレベルでしたが、
ネイティブの日本人という立場で
日本語に関する能力の方を生かして活動していました。
地球に来たナメック星人全員超強くなる現象です。

●ポケモンカードの翻訳を取り巻く環境
新しい情報は常に人々の注目の的で、
新しいカードの情報が公開される度に
プレイヤー界隈はその話題で大いに盛り上がります。
新しいカードのことを早く知りたいのは
我々日本のプレイヤーだって海外のプレイヤーだって同じですが、
ポケモンカードは日本発祥のゲームですから、
我々日本のプレイヤーは常に最新の情報を持っていて、
海外のプレイヤーはそれをものすごく羨ましがっています。
そんな彼らの助けになるのが、
なんちゃってポケカ翻訳家達です。

では、このなんちゃってポケカ翻訳家がどのくらいいるのかと言えば、
実はほとんどいないのです。
上に書いた通り、当時で世界に3人とかその程度です。
ポケモンカードのテキストは
子供でもわかるような簡単なものですが、
この簡単なテキストをちょっと翻訳するだけのことを
する人がなぜこんなにも少ないのか。

一番大きな理由は、
ポケモンカードのテキストが「専門分野」のテキストであるということ。
今時、「日本語が使える」「英語が使える」
なんていう条件を同時に満たしている人は
掃いて捨てても埋立地がパンクするほどいますが、
その中で「ポケモンカードの知識がある」人となると
かなり数が限られてくると思います。
更にその中で、ポケモンカードの翻訳を「できる」だけでなく
「やろう」とする人となると、もう殆どいません。
一般的に、他国語の習得度が年齢に比例するのに対し
ポケモンカードへの興味やそれに当てられる時間は年齢に反比例します。
そんなわけで、ポケモンカードの翻訳をやる人は極端に少ないのです。
この辺りはMTGなんかとは大きく事情が異なります。

僕はお仕事で翻訳の手配をやったりしているのですが、
専門分野の翻訳料金というものはそれなりのお値段がして、
特定の言語に関する能力と特定の分野に関する知識を
併せ持つ人というのは貴重な存在なんだなあというのを実感しています。
実際、製品版のポケモンカードの翻訳も
たった2人のスタッフによって行われていると聞いたことがあります。
忙しいらしいです。

●ポケモンカードを翻訳してみよう
では実際に、なんちゃってポケカ翻訳家として
活動する具体的なステップを説明します。

1.探す
情報は鮮度が命です。
朝買った刺身と夕方買った刺身では
朝買った刺身の方が当然美味しいです。
もっと美味しい刺身が食べたかったら朝の築地で、
じゃなかった今日はポケカの話です。

完全に翻訳された製品版のカードが出回ってしまえば
そちらでリストを作ってしまえばいいだけなので、
なんちゃってポケカ翻訳家の仕事は
製品版のカードが出回るまでの間限定です。
海外のプレイヤーはとにかく新しい情報を欲しがっているので
全力でアンテナを貼ります。
プレイヤー達のブログやTwitter、
カードショップのウェブサイト、
オークション、
掲示板等。
あるいは、どこぞのサイトの管理人さんなんかは
得体の知れない情報網を持っていて、
翻訳して欲しいからと
見たこともないカードの画像を送ってきてくれたりします。

とにかく新しい情報を
できるだけ新しいうちに入手することが大事。

2.調べる
カード名になるポケモンや人物の名前については、
Wikipediaなんかで調べればすぐに英語版の名前が出てきます。
はい終了。

グッズやワザの名前等については
カードオリジナルのものも存在しますが、
そういった場合は使われている単語の英訳をgoo辞書等で調べて、
それっぽい単語を引っ張ったりそれらを組み合わせたりして
英語版の名前を勝手に作ってしまいます。
本家ゲームでで同じ名前のキーワードが存在するものについても、
調べるのが難しい場合は同様の対応を取ります。
上にも書きましたが情報は鮮度が命なのであって
名前うんぬんは時間をかけるべき点ではありません。
名前とか別にどうでもいいし。
必要なのは効果だし。
やる気がないわけではありません。
僕のこの目を見て。

ワザやトレーナーズの効果のテキストについては、
同じような効果を持つ既存のカードを探します。
ポケモンカードをちょっと長くやっていれば、
新しいカードをぱっと見ただけで
既存のカードを何か連想できるはずです。
PokeBeachやPokegymの英語版カードリストから
そのカードのデータを探してきます。

なんだよ翻訳じゃなくて丸写しかよとか言って
生卵を投げるのはやめてください。
やめてください。
日本語が読めないと丸写しすらできない訳ですので、
これも大事な作業の一つです。
それに、過去の似たようなカードと同じ言いまわしにしておけば
読んだ側も同様に過去の似たようなカードを思い出して
すぐにテキストを把握できるので親切です。
自分で一から翻訳するよりずっと効率もよいです。
これは手抜きではありません。
ほら僕のこの目を見て。

過去にない効果を持ったカードの場合、
カードの効果をいくつかの要素に分解して
それぞれについて似たような効果を持つカードを探します。
例えば、ツンベアー(BW)の「ぜったいれいど」の場合は、
「次の相手の番、このワザを受けた相手のバトルポケモンは、
ワザを使えない。」
というテキストになっていますが、
「次の相手の番、このワザを受けた相手のバトルポケモンは」
までがデンチュラ(BW)のエレキネットと同じで、
「ワザを使えない。」
がムーランド(BW)のギガインパクトと同じです。

とりあえず、調べること。
ちゃんと参考になる資料を用意しておけば、
丸写しや切り貼りだけで翻訳が完了するので
大幅に作業時間を軽減した上で
正しいテキストを生成することができるのです。

3.翻訳する
前述の通り、既存の効果と全く同じだったり
あるいはそれらの複合パターンだったりして
過去の似たようなカードからテキストを引用できるならそれがベストですが、
新しい概念が含まれている場合は自力で翻訳しなければなりません。
めんどくさいです。

そんなときに活用するのが、
「excite翻訳」等のオンライン翻訳ツールです。
英訳を知らない単語があればまず辞書で調べて意味を把握しておきます。
そして、オンライン翻訳ツールにカードのテキストを入力して機械翻訳します。
単語が誤った訳になっていれば、
先ほど調べた単語に置き換えていき、
あとはテキストの構造を自力で修正します。
最後は人力です。

ちなみに僕の経験では、
ホウオウ(DP3)の「フェニックスリターン」が一番苦労しました。
これですこれ。

「相手の番に、ワザによるダメージで、
このポケモンの残りHPがなくなったとき、1回使える。
コインを1回投げオモテなら、
このポケモンのダメージカウンターをすべてとり、
エネルギー以外のついているカードをすべてトラッシュ。
このポケモンはトラッシュされないが、
1回きぜつしたことになり、相手プレイヤーはサイドを1枚とる。」

ちなみに、ここで完璧な翻訳をする必要はありません。
完璧な翻訳とは即ち製品版のテキストですが、
それと同じテキストを作り出すことはそもそも難しいです。
それどころか、カタコトのぎこちない英文になっても構いません。
日本でも、公式で未発表のカードの情報を手に入れた人が
「山からトレカ1枚サーチして山カット」
みたいに極端に簡略化されたテキストを流していることがありますが、
これで必要な情報は十分に読み取れます。
これと同じことです。
意味が通じない文章になっていても、
発表した後で誰かが突っ込んでくれたり
リライトしてくれたりします。
翻訳が間違っていても、
製品版が出た後で正しいテキストがわかれば誰も困りません。
心配なら誰かにチェックしてもらえばいい。

伝わればそれでいいんです。
なんたって、トーシローなんだもの。

4.発表する
翻訳が完成したら然るべき場所で発表しましょう。
発表の場所として最も基本的なのは
PokeGymやPokeBeach等のフォーラムです。
ニモノートからもリンクを貼ってありますのでどうぞ。
自分のブログでも構いませんが、
一部物好きな人を除いて
わざわざ日本の一般人のブログを見に来る人なんて殆どいません。
あるいは、どこかのウェブサイトの管理人さん等へ
情報提供の形で情報元のURLと共に
翻訳したテキストを送ってもいいと思います。
もれなく喜ばれます。

ちなみに、新弾1つのカードリストから英語版を作成して発表するまでに
当時家に篭って丸2日かかりました。
今ではそんな時間も気力もありません。

●ポケモンカードを翻訳して得られるもの
なんちゃってポケカ翻訳家は
アマチュアであるからして報酬等は貰えません。
それでもいいことは沢山あります。
こういう目立つ役立つことをやっていれば自分のことを知ってもらえて
海外の人達との繋がりも広がっていくし、
翻訳して欲しいからということで
新しいカードの情報をいち早く教えて貰えたりします。

また、素人としてでも翻訳をやってみた経験は
お仕事なんかにも何かしら活きてくると思います。
実際、就職活動やってるときに
「趣味でポケモンカードの翻訳をやってました」
とか言って面接のアピール材料として活用したりもしてました。

●ポケモンカードの翻訳をやってみませんか
現在なんちゃってポケカ翻訳者をやっている日本人は
僕の知る限り一人もいません。
そういう人の登場がひっそりと待ち望まれているはずです。

「could you translate it now?」
「wait a minute」

「here. okay?」
「thanks」
「not at all」

そんなやり取りが楽しかったので。
ゲームとして強さを追い求める楽しみ方ももちろんですが、
実はこんな楽しみ方もあるんだというのを知ってもらえたら幸い。
運営サイドにどう思われているかはわからないけど。

大事なのはやる気です。
誰にでもできる簡単なお仕事です。
アットホームな職場です。
嘘です。
[ 2011/07/09 21:33 ] ポケカ | trackback(0) | comment(2)

翻訳

時間があればやってみたいのですがね…
なかなか時間がありませんね…
[ 2011/07/19 07:19 ] [ 編集 ]

>オレプレさん
勝手に略しました。
現地で暮らせるくらい英語使えるなんてちょっとうらやましいなあ。
やっぱり時間がネックですよね。
そもそも時間かけてやるようなメリットがあるわけでもなし。
[ 2011/07/25 21:41 ] [ 編集 ]

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nimonote.blog105.fc2.com/tb.php/234-393d2908